私たちの生活に欠かせない「紙」。新聞や段ボール、コピー用紙など、毎日たくさんの紙を使っています。
では、その紙が使い終わったあと、どのように扱われているかご存じでしょうか。
今回は、公益財団法人 古紙再生促進センターの講演資料をもとに、古紙リサイクルの重要性と正しい分別のポイントをわかりやすくご紹介します。

日本では、1人あたり年間約160kgの紙を消費
資料によると、日本国内では年間約2,050万トンもの紙が消費されています。
これは、1人あたりに換算すると約160kg。想像以上に多い量です。
この大量の紙をそのまま捨ててしまうと、焼却や埋め立てが必要になり、環境への負担が大きくなってしまいます。
実は約8割が回収されている日本の紙リサイクル
日本は、世界的に見ても紙リサイクルが進んでいる国です。
消費された紙のうち、約80%がリサイクルのために回収されています。
もし2000年当時(回収率約58%)のままだった場合、
・廃棄物はさらに増加
・CO₂削減効果も小さくなる
といった問題が起きていました。
紙リサイクルの推進は、廃棄物の削減と環境負荷の低減に大きく貢献しているのです。
紙は「木」だけで作られていない
2024年時点で、紙・板紙の原料のうち
- 古紙:約66.6%
- 木材:約33.3%
となっており、今や紙づくりに欠かせない原料が「古紙」です。
さらに、計画的に森林を育てて伐採・再植林を行う「計画植林」と組み合わせることで、森林資源を持続可能に利用することができます。
紙リサイクルの3つの大きな意義
紙リサイクルには、次のような重要な意味があります。
- 廃棄物の減量化
- 森林資源の持続可能な利用
- 製紙原料の安定確保
単なる「ゴミの分別」ではなく、社会全体を支える仕組みだということがわかります。
古紙は「種類ごとの分別」がとても重要
古紙は、種類によって再生後の使い道が異なります。
例えば、
- 新聞 → 新聞紙
- 段ボール → 段ボール
- 雑誌・雑がみ → 厚紙や紙箱
- 紙パック → トイレットペーパーなど
このため、種類を混ぜずに分別することがとても大切です。
リサイクルできない紙に注意
すべての紙がリサイクルできるわけではありません。
代表的な例として、
- レシート(感熱紙)
- 写真
- 防水・耐油加工された紙
- 食品残渣が付着した紙
- アルミ加工紙、カーボン紙 など
これらが混ざると、リサイクル全体の品質を下げてしまう原因になります。
まとめ:正しい分別がリサイクルの第一歩
講演資料では、最後に次の3点が強調されています。
- 紙リサイクルが大切なのは、ごみ削減と資源循環につながるから
- 古紙を分別する理由は、種類ごとに生まれ変わる製品が違うから
- リサイクルできない紙が混ざると、リサイクルの妨げになるから
私たち一人ひとりのちょっとした意識と行動が、
未来の環境を守る大きな力になります。
ぜひ今日から、紙の分別をもう一度見直してみてください。
